カスタマージャーニーマップとは?カスタマージャーニーの作り方や目的

読み取り時間 : 約8分

トピック :

  • カスタマーエクスペリエンス (CX)

カスタマージャーニーマップとは?

カスタマージャーニーマップとは、顧客がサービスや商品を初めて見つけから購買ステップまでの一連のプロセスや推移を示します。カスタマージャーニーマップは、マーケティングにも欠かせなく、顧客の購買行動を全て可視化して感情変化などの把握もとれ、各顧客体験ステージの問題や課題の対策案にもつながるとても便利なフレームワークがカスタマージャーニーです。

カスタマージャーニーとは?

カスタマージャーニー(Customer Journey)とはまさに顧客(英:カスタマー)の旅(英:ジャーニー)のようなもので、その過程では、よい体験ややり取りもあれば、質の悪いサービス、嫌な遅延、道案内の不備などに遭遇することもあります。 

カスタマージャーニーの目的とは?

あなたは、自社の顧客が何を考え、何を求めているのかをどれだけ深く理解していますか?

既存顧客や潜在顧客の行動が予測できず、反応に困った経験はありませんか?顧客が自社ブランドとどのように関わり、どの基準で意思決定を下しているのかが見えないと、ブランド戦略や営業、マーケティング、製品開発、UX(ユーザーエクスペリエンス)に関する重要な意思決定も難しくなります。

しかし、正しいツールとアプローチを使用することで、顧客のニーズや動機を高精度で予測し、深く理解することが可能です。これにより、企業はより効果的な戦略を立て、顧客との信頼関係を強化することができます。


カスタマージャーニーマップを作成するメリット

カスタマージャーニーマップは、顧客の視点からその動機やニーズを理解し、ブランドに対する期待を明確にするための強力なツールです。

顧客が何を望み、購入をためらう要素は何かを把握することで、体験を最適化し、障壁を取り除き、顧客のニーズに応じた解決策を提供できるようになります。

カスタマージャーニーマップは、以下のような場面で特に効果を発揮します:

  • 消費者行動を理解し、改善する
  • コミュニケーションやメッセージングのギャップを特定する
  • 顧客の問題点や摩擦が生じるポイントを明確にする
  • 顧客定着率を向上させる
  • 顧客のオンボーディングを最適化する
  • セールスパイプライン全体で購入者ペルソナ間の相違を強調する
  • マーケティング、セールス、UXなどの部門間で調整を行う

カスタマージャーニーの要素

一般的に、顧客のジャーニーをマッピングする際には、以下の主要な段階を含めます:

  1. 認識—潜在顧客が自分の課題や問題を認識する段階。
  2. 検討—潜在顧客が問題解決の選択肢を探る段階。
  3. 決定—顧客が最適な解決策を選択する段階。
  4. 維持—購入後、顧客に良い体験を提供し、リピーターを確保する段階。
  5. 支持—満足した顧客がブランドのファンとなり、他者に推薦する段階。

これらの段階を通じて顧客は購入決定に至り、その後もブランドと関わり続けます。それぞれの段階で重要な点は、次のように考慮すべきです:

  • 顧客はどのように感じ、何を考えているのか?
  • その感情や考えに至った理由は?
  • 顧客はどのような行動を取るのか?また、企業との接点はどのようなものか?
  • 顧客はファネル内でどのように進行するのか?

カスタマージャーニーマップは誰が作るべきか?

カスタマージャーニーマップは、セールスやマーケティング部門だけに限られたものではありません。むしろ、顧客を深く理解するために、さまざまな部門が協力して活用すべき強力なツールです。

営業部門の場合:

営業チームにとって、カスタマージャーニーマップは顧客が購入プロセスをどのように進むか、どのタイミングで購入をためらうのか、障壁となる要因は何かを把握する上で非常に役立ちます。この理解を深めることで、営業担当者は顧客のニーズにより適切に対応し、目標達成をサポートできるようになります。

マーケティング部門の場合:

マーケティングチームは、カスタマージャーニーマップを用いて顧客の疑問や各段階での感情を理解できます。これにより、説得力のあるメッセージを作成し、適切なタイミングで適切なコンテンツを提供しやすくなります。

UXデザイナーの場合:

UXデザイナーにとっても、カスタマージャーニーマップは顧客の行動とその背後にある理由を理解するための貴重なツールです。顧客のニーズをより的確に把握できれば、より優れた体験をデザインするための手助けになります。

このように、カスタマージャーニーマップは企業全体の部門が戦略的な意思決定を行い、より一貫性のある効率的な顧客体験を作り出すための鍵となります。


では、ブランドの顧客体験や消費者行動を改善し、リピーターを獲得するためにはどうすれば良いのでしょうか? まずは、カスタマージャーニーマップを作成し、顧客の視点からその行動を理解することから始めましょう。

カスタマージャーニーマップ テンプレート
カスタマージャーニーマップの例のテンプレート(オンラインで変更するには画像をクリック)

カスタマージャーニーの作り方

顧客の目線に立った強力なカスタマージャーニーマップを作成するには、以下の作り方ステップを参考にしてみましょう。

1. 明確な目標を設定する 

カスタマージャーニーの作成を始める前に、まず目標を決めましょう。目的に従うことで、作成すべきカスタマージャーニーマップの種類と含めるべき要素が見えてきます。 

カスタマージャーニーマップには、主に3つのタイプがあります。 

  • 現在の状態—最も一般的なカスタマージャーニーマップで、現時点で顧客がどうブランドとやり取りしているかを把握し、問題点を特定してカスタマーエクスペリエンスを改善するために役立ちます。
  • 顧客の一日—ブランドとのやり取りの有無にかかわらず、顧客の生活を行動や感情も含めて深く理解するためのマップで、顧客のニーズの予測や対応に有効です。
  • 将来の状態—カスタマージャーニーを終わらせたい地点を視覚化するもので、現在の状態マップと併用することで、カスタマーエクスペリエンスの現状と理想の間のギャップを特定することができます。

2. 購入者のペルソナを理解する

目標が定まり、作成するマップの種類が固まったら、購入者のペルソナを特定し、概説していきます。

購入者のペルソナとは、ある顧客セグメントを表す架空の表現で、その顧客グループとブランドとのやり取りや体験を描き出すカスタマージャーニーマップのガイド役を果たします。

こうしたペルソナを作成する際には、既存の顧客層から得られたデータや調査を活用して、できる限り顧客のありのままの姿を正確に映したものを作り上げます。ペルソナの質が高いほど、カスタマージャーニーマップから得られる情報の質も高まります。

ユーザーペルソナ テンプレート例
ユーザーペルソナの例(オンラインで変更するには画像をクリック)

3. 顧客接点を描き出す 

カスタマージャーニーマップごとに1つの購入者ペルソナのみに焦点を絞るようにします。カスタマージャーニーマップでは認識から購入に至るまで、その顧客に特有のパスをたどるのが目的で、購入者のタイプによりパスはそれぞれ異なるためです。

顧客像を念頭に、考えうる接点をすべて描き出していきます。自社ウェブサイトでのクリックからメールの開封まで、顧客が企業とやり取りするすべての場所が接点となります。 

現在、顧客がブランドと関わっている方法をすべて調べましょう。Google での企業名検索や企業ブログからのコンテンツのダウンロードなど、こうした関わりの過程で顧客が行っているアクションに特に注意します。 

ヒント : 顧客の目線でカスタマージャーニーを自らたどってみることで、接点、アクションや障壁が見えるようになり、顧客に対する理解も深まります。

4. ボトルネックと問題点を特定する

接点とアクションをリスト化したら、顧客の抱える問題点や障壁を調べていきます。 

以下の問いかけを試してみましょう。

  • 顧客はそれぞれの目標を達成できているか?
  • 不満の主なポイントは?
  • 顧客が購入を放棄しがちな段階とその理由は?

こうした問題点を洗い出すことで、カスタマージャーニーの過程や障壁の出現時に顧客が抱く感情を特定し、問題に対処できるようになります。

5. 継続的に更新と改善を行う

カスタマージャーニーマップが完成したら、カスタマーエクスペリエンスの各段階の最適化に取り掛かります。一回限りではなく、カスタマージャーニーを常に更新して調整し続け、顧客の体験を継続的に改善していきましょう。

カスタマージャーニーマップの良い点は、複数の視点からチームでカスタマーエクスペリエンスを理解でき、組織全体でのコラボレーションと調整をスムーズにできる点にあります。 

カスタマージャーニーの作成は、さまざまな部門と共同で行いましょう。カスタマーエクスペリエンスにはビジネスのあらゆる側面が影響を及ぼすため、その合理化と改善には多様なチームのコラボレーションが必要となります。 

Lucidspark を使えば、全社的なコラボレーションも簡単に。複数のチームが新しいアイデアをブレインストーミングして協業し、グループでの思考を実践的なステップに整理して、次の対応を調整できるビジュアルワークスペースで、顧客データや調査の取りまとめ、購入者のペルソナの作成、カスタマージャーニーとの関連付けもスムーズに進みます。     

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